繰越利益剰余金とは?実際の仕訳例についても解説

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    貸借対照表の中に必ず出てくる繰越利益剰余金。実際に直接仕訳で使用することはあまりありませんが、どんな会社の決算書にも必ず出てくる勘定科目です。

    今回は、この「繰越利益剰余金」がどんな役割の勘定科目なのかを、他の似たような科目との違いや、実際の仕訳例にも触れてながら解説していきます。

    繰越利益剰余金とは

    まずは繰越利益剰余金の定義について見ていきましょう。

    繰越利益剰余金を平たく説明すると、「会社創業以来、積み上げてきた利益の合計」となります。つまり、毎年損益計算書で計上される当期純利益をどんどん積み上げていくと、繰越利益剰余金の金額になります。「繰剰(くりじょう)」なんて呼ばれ方をする時もあります。

    この説明で何となく概要はお分かり頂けると思いますが、この理解のみではまだ説明が終わったことになりませんので、もう少し詳しく見ていきましょう。

    繰越利益剰余金は、利益剰余金の一部

    繰越利益剰余金は、貸借対照表上の純資産に該当します。利益の合計金額なので、誰かに返すような負債ではないことが分かりますね。また、利益自体は、現預金のような資産で受け取るので、繰越利益剰余金を資産にしてしまうと、貸借が合わなくなってしまいますね。なので資産科目でもありません。したがって、消去法的に純資産に該当する、と覚えてしまえばOKです。

    また、繰越利益剰余金は、利益剰余金を構成する科目となっています。一般的に、利益剰余金も繰越利益剰余金と同義で使われることが多い言葉ですが、厳密には、繰越利益剰余金よりも少し広義の言葉になります。

    それぞれ、計算式から比較して考えてみましょう。

    利益剰余金の計算式

    利益剰余金は、下記の計算式によって算出されます。

    • 利益剰余金=利益準備金+その他利益剰余金

    これだけだと、どこに繰越利益剰余金が入っているか分かりませんね。実は、繰越利益剰余金は、「その他利益剰余金」の中に含まれる科目です。もう少し分解してみましょう。

    • その他利益剰余金=任意積立金+繰越利益剰余金

    ここにきて初めて繰越利益剰余金が出てきました。利益剰余金を構成する科目だけでも、これだけの科目があるのです。少し嫌になってしまうかもしれませんが、引き続き本記事を読み進めてもらえば、その違いや考え方を理解することができると思います。

    利益剰余金を構成する要素

    ここでは、利益剰余金を構成する要素のうち、繰越利益剰余金以外の科目について簡単に触れていきます。

    利益準備金

    利益準備金は、利益剰余金のうち、会社法によって積み立てることが義務付けられている金額のことです。会社法では、配当を行った際に、その10分の1を利益準備金として積み立てなくてはならないことになっています。これは、資本金の額の4分の1になるまで行わなくてはならないのですが、その時に使われる科目が、この「利益準備金」となります。

    その他利益剰余金

    その他利益剰余金は、利益剰余金のうち、利益準備金以外の金額のことです。覚え方としては非常に単純ですね。

    任意積立金

    任意積立金は、その他利益剰余金を構成するもののうち、繰越利益剰余金に該当しないものの金額が当てはまります。定義としては、会社が自主的に利益の一部を積み立てた場合に使われる科目です。実際に仕訳をする際は、「任意積立金」という勘定科目を使うわけではなく、目的に合った名前で「○○積立金」という科目とするケースが多いです。また、特に目的がなくても、「別途積立金」という科目を使用することができます。

    繰越利益剰余金の仕訳例

    ここまでで、繰越利益剰余金が、利益剰余金の中でどういった立ち位置なのかを、他の科目と比較しながら俯瞰的に理解してきました。

    ここからは、実際に繰越利益剰余金を使用する仕訳例として、想定されるケースを4つほど紹介しながら、解説していきます。

    期末損益を繰越利益剰余金に振り替える

    利益を繰越利益剰余金に振り替える場合

    まずは、オーソドックスな例から見ていきましょう。期末に計上される収益が1万円で、費用は9,000円、結果、1,000円の利益が上がったとします。これを貸借対照表に反映させるために、下記のような仕訳を行います。

    借方科目金額貸方科目金額
    諸収益10,000諸費用

    期末利益

    9,000

    1,000

    期末利益1,000繰越利益剰余金1,000

     

    1年間の損益は、必ず0からスタートしますから、期末で損益科目は0にしなければなりません。ここで登場するのが、「繰越利益剰余金」となります。繰越利益剰余金が貸方に計上されることによって、貸借対照表上の純資産が増加する仕組みになっています。

    損失を繰越利益剰余金に振り替える場合

    逆に、赤字となって損失が計上された場合を見ていきましょう。期末に計上される収益が9,000円で、費用は1万円、結果、1,000円の損失となってしまったとします。上記の仕訳が理解できていれば、すぐにわかるはずです。正解は下記のようになります。

    借方科目金額貸方科目金額
    諸収益

    期末損失

    9,000

    1,000

    諸費用10,000
    繰越利益剰余金1,000期末損失1,000

     

    損失が計上された場合は、繰越利益剰余金が借方に計上されることによって、貸借対照表上の純資産が減少する仕組みになっています。

    配当による繰越利益剰余金の減少

    続いて、利益を株主に配当した場合の仕訳を考えてみましょう。配当金を支払う時点で、既に前期の決算は確定していますから、配当金は、当期純利益から控除するのではなく、繰越利益剰余金を減少させるような仕訳となります。ここでは、1,000円の配当金を株主に配当することが株主総会で決議された際のケースを考えてみます。

    借方科目金額貸方科目金額
    繰越利益剰余金1,100未払配当金

    利益準備金

    1,000

    100

     

    なぜ1,000円の配当なのに、繰越利益剰余金が1,100円減っているのかわかりますでしょうか。もしわからない方は、本記事上部の「利益準備金」についての説明を、再度参照してみてください。

    積立金の積立てによる繰越利益剰余金の減少

    続いて、会社が独自に積立金を計上したい場合の事例を考えてみます。ここでは、将来的に役員が退職した際に支払う退職金1万円の積み立てをするケースを考えてみましょう。仕訳は下記の通りとなります。

    借方科目金額貸方科目金額
    繰越利益剰余金10,000役員退職慰労金積立金10,000

     

    こちらの仕訳については、双方とも純資産科目なので、特に損益が動くようなことはありません。会計上は、貸借対照表の純資産の内訳が変わるのみとなります。

    余談ですが、実際に積立金が役員退職慰労金として支払われた場合は、下記のような仕訳となります。

    借方科目金額貸方科目金額
    役員退職慰労金積立金10,000現預金10,000

     

    欠損填補による繰越利益剰余金の増加

    ここでご紹介するのは、本来であればあまりお目にかかりたくない例ですが、繰越利益剰余金がマイナスとなってしまった場合、つまり、創業以来の会社経営の累積の結果が赤字となってしまっている場合に、その赤字を補填するために、準備金を繰越利益剰余金に振り替えるような仕訳となります。今回は、利益準備金1,000円を繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補をするケースの仕訳を見ていきましょう。

    借方科目金額貸方科目金額
    利益準備金1,000繰越利益剰余金1,000

     

    おわりに

    今回は、繰越利益剰余金についての基礎知識を付けていくことを主眼とした解説をしてきました。繰越利益剰余金は、利益剰余金に含まれる、繰越利益剰余金以外の科目定義を把握することで、明確に理解することができるようになります。繰越利益剰余金を用いた仕訳例も記載しておりますので、繰越利益剰余金を用いる仕訳をする際に、お役立てください。