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3分でわかる法定福利費の計算方法を解説。見積書をラクラク作成

福利厚生とは、企業による賃金・給与以外の非金銭的な報酬であり、従業員にとって働きやすい環境を作るには欠かせない要素です。

福利厚生には会計上表現として、「法定福利費」「福利厚生費」の2つがあります。
まずはじめに両者の違いを押さえましょう。

法定福利費とは、「法律で義務付けられた会社が負担しなければならない保険料」のことを指します。
福利厚生費とは、「法律で義務付けられていない福利厚生にかかる費用」を意味します。

ここで、「法定福利費」ってどうやって計算するの?といったような疑問を浮かべる人が多いはずです。
簡潔にいうと、法定福利費の計算方法とは、人件費に保険の負担料率を掛け合わすことです。

ではまず、法定福利費の計算について説明し、法定福利費に関わる保険にはどのような種類があるのかについて、また内訳明示された見積書を作成するのかについて詳しく見ていきましょう。

1. 法定福利費の計算方法

先に述べたように、法定福利費は以下の計算式で算出することができます。

(法定福利費)=(労務費) × (対象となる保険の企業負担料率)

ここで、各保険でその負担料率は決まっています。(保険の負担料率は会社規模や業種によってはわずかに変動することがあります。)
平成30年度の社会保険一覧とその負担料率をまとめると、以下の表のようになります。

このように、社会保険料は会社と従業員が双方で負担する形になります。

※法定福利費の大部分を占める健康保険料・厚生年金保険料には、所得税・住民税とは違って上限があります。
健康保険料は標準月額(交通費含む)135万5千円、厚生年金保険料は標準月額60万5千円が上限というように設定されています。
社会保険料の料率は合計約30%であり、企業と従業員でほぼ折半して負担しています。

. 法定福利費に関する社会保険の種類

では、法定福利費の計算について大まかに説明したところで、実際それに関わる保険料の種類はどのようなものがあるのか詳しく見ていきましょう。

代表的なものとして、以下の保険料が挙げられます。

・健康保険料       従業員やその家族が病気・負傷した時の医療費が給付される保険

・厚生年金保険料  従業員の老後の生活のための費用が給付される保険

・介護保険料       高齢者の介護費や治療費が給付される保険

・雇用保険料       従業員が退職した時に必要な費用が給付される保険

・児童手当拠出金  子育て支援のための費用が給付される保険

・労災保険料    従業員が業務上で死亡・負傷した際に対しての保障を行う保険

3. 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順【3ステップ】

では最後に、必要な法定福利費を確保するための見積書の作成について説明していきます。

法定福利費を内訳明示した見積書の作成の手順は

ステップ①人件費を算出する

ステップ②人件費をもとにして法定福利費を算出する。

ステップ③見積書に法定福利費を明示する

というように、大きく三つに分けられます。順序ごとに一つずつ見ていきましょう。

ステップ① 人件費を算出する

法定福利費の算出の過程で最もややこしいのが、この人件費の算出です。

人件費の算出においては、以下三つの方法があります。

⑴作業ごとに一つずつ足し合わせていく

⑵歩掛かりを用いて人工数を計算して算出する

⑶平均的な労務費率を用いて算出する

労務費算出については、各工事の実態に応じて適した方法で行われます。

⑴作業毎に一つずつ足し合わせていく

作業内容毎に必要な人工数がわかれば、それを平均的賃金に掛け合わせて労務費を算出する方法です。

⑵歩掛かりを用いて人工数を計算して算出する

歩掛かりとは、ある作業を行う時の単位数量あるいは一定の工事に必要な作業日数を数値化したもののことを言います。工事数量に標準的な歩掛かりを用いて人工数を計算することで、単価に応じて労務費を算出することができます。

⑶平均的な労務費を用いて計算する

工事価格を見積もってから、工事価格に対して平均的な労務費率を乗じて労務費を算出する方法です。労務費率というのは厚生労働省で決められているので、そちらを使うといいでしょう。

⑴⑵の方法は労務費を正確に出しやすい反面で、作業一つ一つにおいて詳細な見積もりが必要となり、かなり手間がかかります。この点において、⑶は三つの方法の中で最も簡単な方法といえます。

ステップ② 人件費をもとにして法定福利費を計算する

これは、1. 法定福利費の計算で説明した通りですね。算出した人件費に保険毎の負担料率を乗じます。

ステップ③ 見積書に法定福利費を明示する

いよいよ算出した法定福利費を見積書に明示します。ここで注意しておきたいのが、消費税です。内訳明示する法定福利費は請負金額の内訳であるため、消費税の対象となります。見積書を作成する際は、消費税金額も忘れずに記載します。

見積書の例を以下に添付します。

4. まとめ

本記事では、福利厚生に欠かせない法定福利費について記述しました。

法定福利費人件費に決められた保険料率を乗じて計算されますが、この負担料率は従業員にとって、「だいぶ手取りが減るなぁ」と感じる料率ではないかと思います。ここから様々な税金が控除されるので、実際に従業員が受け取る給与はさらに減ってしまいます。

ですが、この社会保険は企業のためではなく、従業員のための制度です。法律で義務付けられた社会保険料を企業は「法定福利費」として従業員とほぼ折半して支払うことで、従業員は様々な福利厚生を受けることができるのです。これは非金銭的であるとはいえ一つの報酬の形であるといえます。

法定福利費が低いと誰が得をするのか?という議論がありますが、企業と従業員の関係性を決める一つの大きな鍵です。この勘定科目を見つめ直すことで、企業と従業員のより良い関係性を導き出せるのではないでしょうか。


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