経費精算とは?やり方・流れを5ステップで解説!6つの注意点も

経費精算とは、会社の営業活動で従業員が一時的に費用を立て替えることです。

今回は、新入社員の方もベテランの方もわかりやすいように、経費精算のやり方と注意点、効率化する方法をまとめましたので、ぜひご覧下さい。

そもそも経費精算とは?

経費精算とは、会社の営業活動で従業員が一時的に費用を立て替えたりすると行う処理のこと。たとえば、取引先と打ち合わせに行ったら、部屋が埋まっており外の喫茶店で打ち合わせをしたとします。その時のコーヒー代が経費ですね。

帰社後に「〇月〇日xxx株式会社△△さんとの打ち合わせに、コーヒー代1,000円がかかった」という書類を作ります。そして、上司の承認を得て、経理部へ精算書を提出。立て替えていたコーヒー代1,000円を受け取ります。

実際は、交通費や食事代、文房具に備品と様々な購入がありますので、領収書は膨大な量できます。へたをすると「プロジェクトが山場で精算していられないから、そっちでやってちょうだい」と領収書の束を経理に渡すことも多いです……。

経費とは?

経費とは一体何でしょうか?「そんなの経費で落とせるわけないでしょ」
経理部署でよく耳にするセリフですね。このセリフが出てきては、どうあがいても説得をしても経費では落とせません。

けっして意地悪をしているのではなく、経費となるべき項目は明確に決まっておりますので、対応できないのです。

正しく経費となるものの例としては、

  • 旅費
  • 通信費
  • 接待交際費
  • 消耗品費
  • 以上の4つの出費が頻出項目として挙げられます。

    会社によって多少名称が違うかもしれません。これらの支払科目をくわしく見ていきましょう。

    1.旅費

    もしくは、旅費交通費、旅費宿泊費、交通費などと呼ばれます。
    旅費と宿泊費をわけている会社もありますね。
    主に出張をする際の新幹線代や飛行機代、ホテルの宿泊費、職員の日当を支払う勘定科目です。

    本来は、移動にかかる費用と宿泊にかかる費用、日当は別にしてそれぞれ把握しておくことが望ましいのですが、一人経理だったり、上席の考えですべてまとめてしまってる会社もあります。

    経費上の管理は仕方ないにしろ、経費を支払う際の明細はきちんとわけて記載をすることでいらぬトラブルを避けることができます。

    2.通信費

    通信と聞くと電話やインターネットを思い浮かべるかもしれませんが、FAXや郵便関係も通信費に入ります。切手や送料があてはまります(小包などは輸送料や送料扱いになります)。

    電話などの通信費の支払い、郵便の後納代金の支払いに使用する勘定科目です。

    3.接待交際費

    主に顧客の接待や、出張の際に持参する手土産代、合同研修会などで知り合った方との食事代など「顧客や別の会社の方に関わる出費」にあてはまります。
    出費内容が広いだけに、管理は経理でおこなわず、部署ごとに管理をすることをおすすめします。

    大きな会社ならば経費の予算管理をおこない、部署の責任者の判断を仰ぐことがスムーズなのです。
    また、小さい会社ならば予算管理まではおこなわず、部署の責任者の判断を仰ぐことが多いです。

    4.消耗品費

    経費の中でも分類しにくいものが消耗品費です。経理初心者の悩みどころになるかもしれません。

    消耗品費と似ているものは、

  • 事務用品代:ペンや付箋、コピー用紙など
  • 福利厚生費:社内の常備薬やばんそうこうは福利厚生費
  • 器具備品:単価10万円以上の社内用設備など
  • とくに気を付けるべきなのは3つ目の項目です。

    消耗品費の定義とは、

  • 取得原価が10万円未満
  • 耐用年数が1年未満
  • となっています。

    たとえば、パソコンを4万円で購入したとします。パソコンだからといって備品勘定で処理をしてしまうと複数年に渡って減価償却を行うこととなり、消耗品費のように購入時に全額を費用として処理することができなくなってしまいます。
    このような場合は、消耗品費で処理をすると減価償却の必要もありません。

    経費精算の仕訳方法・会計処理を解説

    経費精算の仕訳方法や会計処理を例付きで解説します。

    例1.出張にかかる交通費を一時的に従業員が立て替えた場合

    a,得意先への移動にかかったタクシー代2,000円を従業員が立て替えた。

    仕訳なし 0円 仕訳なし 0円

     
    b,帰社後、立て替えていたタクシー代を経費精算した。

    旅費交通費 2,000円 現預金 2,000円

     
    立て替えていたタクシー代を費用計上(精算)しましたね。従業員には現金もしくは預金から2,000円を支払っています。

    例2.出張費用として仮払金を10,000円支給した場合

    a,出張費用として10,000円を支給した。

    仮払金 10,000円 現預金 10,000円

     
    b,出張中に取引先へ手土産を1,000円で購入した。手土産代1,000円をあらかじめ支給されていた仮払金から支払った。

    交際費 1,000円 仮払金 1,000円

     
    c,帰社後に 仮払金の残金9,000円を精算した。

    現金 9,000円 仮払金 9,000円

     
    実際は手土産代の支払いは出張中に行われており、科目の振替は帰社後にやります。
    そのため、

    交際費 1,000円 仮払金 10,000円
    現金 9,000円

     
    以上の処理になります。

  • 従業員が一時的に立て替えたお金
  • 仮払金から支払ったお金
  • これらを適切な科目に振り替えることが精算処理です。

    例3.従業員が立て替えた経費を振り込みで精算処理

    パソコンを4万円で購入。費用は立て替えてくれた社員へ現金で支払った。

    消耗品費 40,000円 現金 40,000円

     
    パソコンを4万円で購入。費用は立て替えてくれた社員の銀行口座へ振り込んだ。

    消耗品費 40,000円 預金 40,000円

     

    一般的な経費精算の流れ・やり方を5STEPで解説

    ここからは経費の発生と処理の流れについて解説していきます。

    STEP1.上司たちに提出をする稟議書・起案書を作成し、承認を得る

    稟議書とは購入や契約の締結の際に、上司たちの承認(決裁)を得るための書類です。稟議書でどの部署の誰が責任を持つのかを明確にします。

    それだけに稟議書には記入する必須項目があります。

  • 最終的な目的:(例)新たな会計システムを導入すること
  • 金額
  • 契約の締結が目的なら契約内容
  • 購入や契約の締結でどうなるか:(例)元号改正に対応しており、その後のアフターサービスも受けられる
  • 購入や契約で生まれるリスク
  • STEP2.かかった領収書のチェック

    稟議書の通りにおこなった根拠となり、内部不正を防ぐことにもなります。

    印字されているものから、手書きのものなど様々な形式があり、内容を明確にするために必須記載事項があります。

  • 領収書である旨が書いてある
  • 支払人名(正式名称が望ましい)
  • 金額
  • 但し書き
  • 発行者名と押印
  • 領収書発行日
  • 金額が5万円以上ならば収入印紙の貼付と割印が押されているかチェック
  • STEP3.経費を精算するための精算書を作成する

    次に立替金の精算をするために精算書を作成します。
    立替金専用の精算書を用意しておくと、様々なものに使用できるので便利です。会社によっては旅費精算書、通信費精算書など専用フォーマットがあるかもしれません。

    精算書はいざというときに税務調査でチェックされることもあるため、必要な記載事項があります。

  • 精算書の申請日
  • 部署名・氏名
  • 支払金額
  • 支払先名称
  • 支払内容
  • 領収書を添付する(領収書がない場合は先に支払証明書を作成する)
  • 接待交際費については不正利用を防ぐために、記載事項が増えます。
  • 取引先名
  • 相手方名(可能ならば役職も)
  • 人数
  • これらは忘れがちなので注意しましょう。

    STEP4.精算書を上司に提出し、承認を得る

    精算書を上司に提出し、承認印をもらうことで精算書が正式なものとなり、経理で立替金を支払うことができます。
    書類に不備があれば差し戻しとなる可能性もあるので、経理ではけっして書類がとおるまで支払ってはなりません。

    STEP5.承認が下りた精算書を経理で仕訳処理をおこない支払いをする

    承認印もすべて押された状態で経理に精算書がやってきます。精算書をもとに立替金を支払います。

    その際の支払い方は、

  • 現金
  • 銀行振込
  • があります。

    現金で支払う場合は、現金を入れるための封筒を作成します。
    封筒には支払先名、支払内容、金額を明記し、精算を行った社員から精算書または受領書にハンコをもらいます。

    口座振込の場合は、封筒の作成や受領印をもらう必要はありません。しかし、給与とともに振込をするときは注意が必要です。給与には所得税が課税されます。立替金は給与でないため、所得税は当然ながら非課税です。トラブルを防ぐためにも、給与とは別に振込手続きをとることをおすすめします。

    営業部での経費精算の流れ・やり方

    少額の経費はたいてい社員が立替をしますが、出張は先に仮払金を渡します。

    あまりにも急な出張で出張申請等ができない場合は、立替をお願いするか、上司や社長に判断をあおぎます。

    STEP1.出張が決まったら、出張申請書を作成する

    出張前に出張申請書を作成して、上司から許可をもらいます。
    出張の根拠となる重要な書類ですので、必要記載事項があります。

  • 出張申請日
  • 部署名・氏名
  • 出張期間
  • 出張先
  • 宿泊地と宿泊料金
  • 移動手段
  • 交通費
  • 日 当
  • STEP2.出張申請書をもとに仮払金を受け取る

    出張申請書に合わせて仮払金を受け取ります。
    現金か銀行振込がされますね。

    STEP3.帰社したら出張精算書を作成する

    出張に実際にかかったお金を精算するために精算書を作成します。
    管理上、すぐに見られるように出張精算書のフォーマットを用意している会社もあります。

    必要記載事項は以下のとおりです。

  • 精算書の申請日
  • 部署名・氏名
  • 支払金額
  • 支払先名称
  • 支払内容
  • 接待交際費を含む場合は相手方名
  • 領収書を添付する(領収書がない場合は先に支払証明書を作成する)
  • STEP4.出張精算書を上司に提出し、承認を得る

    精算書を上司に提出し、承認印をもらうことで精算書が正式なものとなります。

    STEP5.出張精算書を経理部へ提出し終了!

    承認が下りた出張精算を経理部へ提出。通常の出張精算は以上で終わりです。
    もし、支出が仮払金額を超えている場合は、不足分が支払われます。

    経理部での経費精算の流れ・やり方

    STEP1.出張申請書もとに仮払金を渡す

    出張申請書に合わせて仮払金を準備します。
    現金か銀行振込をするのがベターです。

    STEP2.出張帰社後、承認が下りた出張精算書が提出される

    営業部で承認が下りた出張精算書が経理部に提出されます。仮払金の残金が残っていたら、残金もともに返されます。

    STEP3.出張精算書をもとにして経理で仕訳処理をおこなう

    「出張精算書類の金額」と「領収書の金額」、「残金」が合っているかを確認します。
    その後、仕訳処理をおこないますね。

    もし、仮払金<実際の支出の場合は、不足分を支払いましょう。

    出張旅費精算で注意すべきポイント

    出張精算書は税務調査でチェックを受ける場合もあります。移動方法や乗り換えの地点、金額などは具体的かつ細かく書くようにします。

    年配の社員の中には、鉄道切符を購入する際に領収書が発行されることを知らなかったりします。現代の駅では鉄道賃でも領収書が発行されることを教えておき、必ず持って帰ってくるように伝えます。

    中には何百円ぐらいいいだろうという社員もいるかもしれません。しかし税務調査が入った際に、支払いの根拠資料が存在しなければ経費として認められず、会社が追加の税金を支払う羽目になることも考えられます。したがって社員には自覚と責任感を持った行動を徹底してもらいましょう。

    出張旅費精算を効率化したい方は下記記事をご覧ください。

    出張旅費精算システム7社を徹底比較!選び方のポイントは?

    領収書を紛失した場合の経費精算の流れ

    領収書の紛失よりも、領収書の発行がないものを購入したなどがあります。たとえば、顧客と共にいたときに自販機で飲み物を購入したなどです。

    1.支出があったことを証明する支払証明書を作成する

    その際は、経費精算をする前に『支払証明書』という書類を作成します。まずは「どのような内容で支払がいくら発生したのか」を明確にする書類です。いわば領収書のかわりとなる書類ですね。

    必要記載内容は以下のとおりです。

  • 支払人名(正式名称が望ましい)
  • 金額
  • 但し書き
  • 支払日
  • 決裁者の名と承認印
  • 2.支払証明書を上司に提出し、承認を得る

    精算書を上司に提出し、承認印をもらうことで支払証明書が正式なものとなり、経理で費用を支払うことができます。この支払証明書の作成は費用を使った本人にやってもらいます。
    よくわからない、面倒などを理由に経理へ作らせる社員がいますが、お金を使ったことを知っているのは本人だけです。上司から承認をえるときには間違いがないのか2、3個質問をされるのが常です。
    間違いなく作成は本人にやっていただくことをおすすめします。

    支払証明書の決裁が終わりましたら、次に経費精算書を作成し、最終的に費用を支払います。

    領収書の紛失については、こちらの記事もどうぞ

    経費精算に領収書は必要!領収書を紛失した時に役立つ4つの方法

    経費精算で経理担当がチェック・確認すべき3つのこと

    1.領収書の金額は妥当なものか確認する

    悲しいことに領収書の数字改ざんは、めずらしいことではありません。
    商品やサービス、接待内容など金額は妥当なのか、領収書に不審な点はないかを確認します。

    2.領収書の枚数と金額は精算書と一致しているか

    出張経費の精算などは領収書が大量に発生します。
    まれに数枚がたりなかったり、本人が出し忘れていたりしますので、精算書の支払先の数と領収書の枚数、金額は必ず確認することをおすすめします。

    3.経費の勘定科目を確認する

    会計処理をおこなう際はとくにですが、

  • 勘定科目
  • 貸借
  • 金額
  • 以上の3点を確認します。

    間違っていると、あとあと修正に手間がかかります。

    よくある経費精算の疑問!経理担当者が注意すべき6つのこと

    経理業務で間違ってしまうと、あとあとの処理が面倒になります。
    注意点をまとめてみました。

    1.精算書類が先か、お金の支払いが先か

    会社によっては精算書等の決裁がまだでも、領収書で支払いを先にするところもあります。
    あまり望ましくはありませんが、承認する上司があまり社内にいないなど理由によってやり方が違います。
    基本的には書類がすべて出来上がり、承認がもらえてから支払います。

    2.経費精算は貯めずに、こまめに処理をおこなう

    月内に発生した経費は月内に終わらせるのが理想です。
    また、経理担当者はこまめに処理をおこなっているにも関わらず、他の部署でいつまでもためている場合があります。1週間に1度くらいは処理をするように促すことをおすすめします。

    3.経理担当者が変わってもわかるように、伝票に記載する

    引き継ぎなどをすると実感するのですが、自分だけがわかるやり方で伝票を記載するのではなく、自分の身に何かあって、他の人が引き継いでもわかりやすいように伝票は記載します。
    摘要欄の活用や、紙伝票を使っているなら空いているスペースに詳細を書き込みます。

    4.承認印は上司か社長からもらう

    小さい会社の場合、承認印のルールがあやふやなことがあります。最終的な承認印は社長にもらうようにするのが望ましいです。

    5.所得税の関係上、給与と経費はともに処理しない

    経費精算書が承認され、いざ費用を支払うときに方法は2つあります。
    それは現金払いと口座振込です。

    銀行振込は振込手数料が別途発生する可能性もあり、給与と一緒に支払っているケースも見られます。
    しかし、本来給与には所得税などが課税されているため、間違えると支払った経費にも課税してしますことが起こりえます。

    可能ならば給与とは一緒にせず、経費は経費で振り込むことをおすすめします。

    6.旅費規程を作ることで所得税の節税になる

    旅費規程とは社内での旅費の扱い方を取り決めたものです。
    社員、役員など範囲を決めて、交通費や宿泊費、日当の金額も決めます。
    旅費規程を策定することで、日当は非課税科目となり、結果的に所得税の節税につながります。

    まとめ

    経費精算の仕組みと会計処理、旅費精算について大まかに解説いたしました。経理初心者にとって、経費の精算は慣れないうちは仕訳も大変かもしれません。そんなときは慌てずに、ひとつひとつやり方を確認してすすめることがポイントです。

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