法人の一括償却資産の仕訳や限度額は?!減価償却の注意点をまとめてみた!

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    減価償却とは固定資産を取得・購入した際に、その金額を複数年にわたって少しずつ経費として計上する仕組みのことです。事業のために高額な物品を購入しても、購入額全額を一度にその事業年度の経費にすることはできないわけです

    固定資産とは10万円以上で長期間使えるもの

    固定資産とは「それを保有及び使用することによって、事業活動に対して長期間にわたり利益をもたらす財産」を指します。

    固定資産は有形固定資産と無形固定資産とに大別され、有形固定資産とは文字通り、その「形が目に見える資産」であり、土地や建物、機械、器具備品などが含まれます。一方、無形固定資産とは「形のない資産」であり、ソフトウェアや商標権・特許権などがあります。

    但し、次のようなものは対象とはなりません。

    1. 販売用のもの

    販売用のものは、それ自体の保有によって事業に利益をもたらすことはありません。また、直接事業の用に使用することもありません。そのため、固定資産としては扱われません。

    1. 長期間の使用ができないもの

    使用可能な期間・効果が見込まれる期間が1年未満のものについては消耗品として処理します。これは「丁寧に使うと1年以上使える」「多少の不具合があっても使用に支障はない」等、実際の使用の可否で判断するのではなく、国税庁が定めた耐用年数表に基づいて判断します。

    また、この場合の消耗品は「消耗が早いと想定されるため、購入した年度内で全額を経費に算入してよい」という意味であり、勘定科目を「消耗品費」として仕訳をするということではありません。

    1. 価格が10万円未満のもの

    1個または一式あたりの金額が10万円未満である場合には、上記2と同様の意味において消耗品として、当該年度にその全額を経費として計上します。

    減価償却方法の種類

    固定資産は時間とともに老朽化・陳腐化するために、効果が見込まれる期間(法定耐用年数)にわたって少しずつ経費として計上(減価償却)しますが、減価償却にはさまざまな計算方法があります。

    資産取得額 償却方法 償却資産税
    減価償却 全て 定率法または定額法 対象
    少額償却資産 30万円未満 即時償却 対象
    一括償却資産 20万円未満 3年均等償却 対象外

     

    定率法とは

    定率法とは、資産の取得額(未償却残高)に毎年一定の率をかけて減価償却額を計算する方法です。取得当初の減価償却額は大きくなるため、利益は圧縮される傾向にあります。

    年を追う毎に減価償却費として計上する額が逓減していくことから、将来的に収益の低下が予測される場合には、負担を小さくできる点がメリットです。

    個人事業主は原則的に定額法での減価償却となり、定率法を採用したい場合は別途申請が必要になりますが、法人の場合はその必要はありません。

    定額法とは

    定額法とは、償却資産の額を法定耐用年数で割る方法です。

    償却額の計算が非常に簡便であることがメリットです。これにより経理担当者の負担が軽減されます。また、無形固定資産の償却方法は定額法のみとなります。

    少額償却資産とは

    少額償却資産とは、取得額が30万円未満の償却資産について、購入した事業年度に全額を経費として計上(即時償却)できる特例です。

    通常の減価償却であれば、年度の途中で取得した場合、月割りで償却額を計算することになりますが、この少額償却資産の処理をした場合には、取得日に関わらず全額を経費とすることができます。そのため、事業年度末が近くなってから利益を圧縮したい場合にも有効な方法です。

    一括償却資産とは

    一括償却資産とは、取得額が20万円未満の償却資産について、3年間で均等に償却する方法です。

    概ね3年間で「3分の1ずつ」という理解でよいのですが、次項にてもう少し詳しく説明しましょう。

    一括償却資産の損金算入限度額の計算方法

    次の計算式によって損金算入限度額は計算されます。

    『損金算入限度額=一括償却対象額×(当該事業年度の月数)/36』

    ポイントは「当該事業年度の月数」という部分です。減価償却額の計算では、会計期の途中で資産を取得した場合には月数按分をおこないますが、一括償却限度額の計算では取得日は勘案されません。取得日が10月であっても3月であっても、事業年度内の月数が12か月である場合には、対象額に12/36を掛けて算出します。

    ほとんどの場合、事業年度の月数は12か月であることから、12/36=3で3年均等で問題ありませんが、設立直後の事業年度などで1年に満たない場合にはこの限りではありません。

    また、取得額にかかる消費税についてですが、事業者が税抜経理を行っている場合は消費税抜きの金額を取得額とし、税込経理を行っている場合には税込の金額を取得額として判断します。

    そのため、仮に19万円の備品を購入した場合、前者では取得額は190,000円で一括償却の対象となりますが、後者の場合は19万円+消費税(8%)で205,200円が取得額となることから、一括償却を行うことはできません。

    一括償却の仕訳は【取得時】と【決算時】

    一括償却資産の処理には「決算調整方式」と「申告調整方式」があります。それぞれの仕訳例は下記のようになります。

    例えば…180,000円のコピー機を現金で購入した場合

    決算調整方式

    【取得時】(借方)一括償却資産 180,000/現金 180,000

    【決算時】(借方)減価償却費 60,000/一括償却資産 60,000

    この後、2年目、3年目においても決算時毎に同額の6万円を減価償却費として計上します。

    申告調整方式

    【取得時】(借方)消耗品費 180,000/現金 180,000

    【決算時】 仕訳なし

    申告調整方式では、法人税の確定申告時に経費の加減をするため、決算時の仕訳は必要ありません。

    一括償却資を選択するメリット・デメリット

    • メリット1. 耐用年数の確認の手間が省ける

    償却資産の対象は多岐に渡ることから、個別の購入資産毎に耐用年数の確認作業をすることは、経理担当者に相応の負担を要します。それを簡便に3年として処理することができます。

    • メリット2. 当該年度の利益を圧縮できる(節税できる)

    本来であれば法定耐用年数にわたる償却期間を3年間に圧縮することで、短期的な損金算入額を増やす=利益を圧縮する=節税することができます。これにより資金繰りに余裕を持たせることが可能となります。

    • メリット3. 固定資産税を節税できる

    固定資産税は土地や建物だけではなく、機械や器具・備品などにも課税されますが、一括償却資産はその対象とならないため、固定資産税を抑えることが可能です。

    • デメリット1. 損金算入額は3年間逓減しない

    減価償却費として計上する金額は3年間変わらないことになります。金融機関等へ提出する決算書上で利益調整を図りたい場合には、一括償却の処理を行う前に、次年度以降の利益見込みにも気を配る必要があります。

    • デメリット2. 資産が途中で無くなっても算入額は変わらない

    一括償却資産は、3年の償却期間中に資産を滅失・譲渡した場合でも、未償却額残高を損金算入することができません。例えば、15万円で購入したパソコンが2年目で故障し廃棄した場合であっても、3年目にも1~2年目と同様の金額を減価償却費として計上しなくてはなりません。

    償却資産の管理方法は目に見える形で

    数多く保有されている償却資産のうち、どこに・なにがあって・どれが・いつ購入したものか把握されているでしょうか?

    確定申告時の補助簿の一つである固定資産台帳ですが、恐らく経理担当者の方はこの固定資産台帳(償却資産台帳)に基づいて資産の管理をされていることと思われます。ところが、経理担当以外の従業員の多くは、この台帳による管理の存在を知らず、前述の固定資産と消耗品の区分も曖昧なことが珍しくありません。

    それ自体は無理もないことなのですが、認識不足によって経理担当者の知らないうちに固定資産が廃棄されていることがないよう注意しなければなりません。

    特に、従来からあるものと同種の資産を、複数台購入する場合(例えば、パソコンを8年前、5年前、3年前に10台ずつ購入し、古いものから10台入れ替えたい時など)には、どれがいつ購入したものかを明確にする必要が出てきます。

    そこで有効なのは、非常にアナログですが『取得した固定資産にステッカーを貼る』方法です。固定資産台帳に記載の資産毎に管理番号を付与し、10万円以上のものを購入した際にはその番号を印字したステッカーを貼るのです。

    そして従業員には「備品等の廃棄や入れ替えの際にはステッカーが貼られていないか確認すること。貼られていれば経理担当者まで連絡すること」を依頼するのです。これにより、除却漏れや過度の償却資産税の納付を防ぐことができます。

    まとめ

    償却資産の減価償却方法は種類も多く、計算も複雑ですが、長期にわたって収支に影響を与える部分です。とりわけ少額償却資産と一括償却資産はその効果が大きいことからも、利益調整(節税)の側面があることをきちんと理解し、財務状況の安定化を目指して適切な償却方法を選択することが大切です。