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敷金の勘定科目は?事務所の賃貸の会計処理や仕訳はどうなる!

家賃

事務所の賃貸借取引は頻繁に発生するわけではないため、実際発生した際の取り扱いに困ってしまうことがあると思います。
しかし敷金の仕組みを理解しておけば、会計処理は意外と単純なものです。

敷金は解約時に返還される部分とそうでない部分で処理方法が変わってくるのがポイントです。返還される場合は資産・負債科目、返還されない部分は収益・費用科目で処理していきます。

この記事では事務所を貸す側と借りる側それぞれの会計処理を仕訳とともに説明していきます。また、後半には住居のための賃貸や借り上げ社宅としている場合の敷金の取り扱い方法についても記載してありますので、ぜひ参考にしてください!

そもそも敷金とは?

賃貸物件は、契約完了後に入居前と同じ状態で引き渡さなければなりません。その際の修繕などにかかるお金を現状回復費用といいます。
そして、入居前に原状回復費用としてあらかじめ大家さんに預けるお金が敷金です。

通常敷金は退去時にかかった原状回復費用をさし引いた金額が戻ってきますが、契約内容によっては1円も戻ってこないという場合もあります。

また、よく初期費用を抑えるために敷金なしのお部屋を借りることがありますが、敷金を払っていない場合は退去時の原状回復費用をそのまま支払う必要があります。
敷金は保証金や差入保証金とも言います

敷金の勘定科目は2種類

敷金を処理する時の勘定科目は、借りる側と貸す側で異なります。一度設定した科目は後で変更しないようにしましょう。

①借りる側・・・「敷金(資産科目)」もしくは「差入保証金(資産科目)」

②貸す側・・・「預り金(負債科目)」

また、敷金もしくは預り金とする対象は、返還することが決まっている部分となります。
それ以外の返還されない金額については、修繕費もしくは雑収入で処理していきます。下記で具体的なケースとともに仕訳で説明していますのでご参照下さい。

事務所を借りる際の会計処理と仕訳例6つ

まず、事業をするための事務所を借りたときに支払った敷金の会計処理を見ていきましょう。基本は契約時に敷金を支払った際に資産計上し、契約完了時(退去時)に相殺するという流れになります。
具体的には敷金の取り扱いは主に3つのケースに分けられます。どのケースにあてはまるか、賃貸契約書を確認してみて下さい。

①【契約時】退去時にかかった原状回復費用を差し引いた金額が返還される場合

支払った敷金は返還されますが、もし退去時に原状回復費用が発生した場合はその費用を差し引いた金額で返還しますという場合です。
この場合は契約時にはいくら原状回復費用がかかるか分からないため、全額を資産として処理します。

借方 金額 貸方 金額
敷金 100,000 現金 100,000

②【契約時】契約時に返還されない敷金の金額がすでに決まっている場合

支払った敷金のうち、〇%はどんなことがあっても返還しませんと契約で定められている場合があります。
返還されないことが決まっている金額(礼金含む)が20万円未満の場合、費用として計上します。20万円以上の場合は繰延資産となり、契約が5年以上の時は5年で均等償却、5年未満の時は契約期間で償却していきます。
敷金の判断フロー

【返還されない金額が20万円未満の場合】

返還されない部分は支払手数料として費用計上します。

借方 金額 貸方 金額
敷金 80,000 現金 100,000
支払手数料 20,000

【返還されない金額が20万円以上の場合】

返還されない部分は長期前払費用として資産処理し、契約期間によって均等償却していきます。

(契約時)

借方 金額 貸方 金額
敷金 500,000 現金 800,000
長期前払費用 300,000

(期末時)

①契約期間が5年以上の場合・・・5年で均等償却

500,000円÷5年=100,000円を毎年償却していきます。

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 100,000 長期前払費用 100,000

②契約期間が5年未満の場合・・・契約期間に基づいて償却

例えば契約期間が2年であれば、500,000円÷2年=250,000円を毎年償却していきます。

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 250,000 長期前払費用 250,000

③【契約時】条件により敷金が返還されない場合

契約の中には条件によって敷金が返還されないものもあります。その場合は返還されない金額が確定した時点で費用計上します。

(例)2年以内に解約した場合は全額返還し、それ以降に解約した場合には60%を返還する場合

2年経過した時点で支払った敷金のうち40%分を以下のような仕訳で費用計上します。

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 40,000 敷金 40,000

④【解約(契約終了)時】退去時にかかった原状回復費用を差し引いた金額が返還される場合

退去時に原状回復費用が発生し、その分を引かれた金額が戻ってきた場合は、原状回復費用を修繕費として計上します。

借方 金額 貸方 金額
現金 80,000 敷金 100,000
修繕費 20,000

ちなみに、一緒に日割り家賃が返還されてきた時の仕訳は以下の通りです。

借方 金額 貸方 金額
現金 95,000 敷金 100,000
修繕費 20,000 地代家賃 15,000

⑤【解約(契約終了)時】契約時に返還されない敷金の金額がすでに決まっている場合

返還されない部分についてはすでに支払手数料、もしくは長期前払費用で計上されているので、敷金として返還された部分のみ処理していきます。

借方 金額 貸方 金額
現金 80,000 敷金 80,000

もし返還されない金額が20万円以上で均等償却を行っており、解約年も償却期間が残っているのであれば、あわせて償却の処理をします。

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 100,000 長期前払費用 100,000

⑥【解約(契約終了)時】条件により敷金が返還されない場合

ケース2と同様、返還される分の敷金のみの処理を行います。

(例)2年以内に解約した場合は全額返還し、それ以降に解約した場合には60%を返還する場合

借方 金額 貸方 金額
現金 60,000 敷金 60,000

事務所を貸すときの会計処理と仕訳例6つ

次に不動産賃貸業で事務所を貸す場合の会計処理を見ていきます。基本は敷金を預かった際に預り金として処理し、契約完了時(退去時)に敷金を返還後、原状回復費用を差し引いて相殺していく流れになります。

①【契約時】退去時にかかった原状回復費用を差し引いた金額を返還する場合

退去時に原状回復費用が発生した際、預かった敷金を使って支払い、残りの金額を返還する場合です。契約時にはいくら費用がかかるかまだわからないため、全額預り金として計上します。

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000 預り金 100,000

②【契約時】契約時に返還しない敷金の金額がすでに決まっている場合

敷金のうち、何があっても返還しないとする金額が契約の時に決定している場合は、その金額を売上として計上します。

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000 預り金 80,000
売上 20,000

この時の売上の消費税区分は、事務所を貸す目的であるため、課税となります。
また、事務所を借りる側は返還されない金額が20万円以上の場合は長期前払費用に計上して均等償却していきますが、事務所を貸す側の処理としては、金額にかかわらず契約時に全額を収益計上します。

③【契約時】条件により敷金が返還されない場合

条件によって返還されない敷金が決まる場合、その金額が確定次第収益として計上します。

(例)2年以内に解約した場合は全額返還し、それ以降に解約した場合には60%を返還する場合

2年経過した時点で受け取った敷金のうち40%分を以下のような仕訳で収益計上します。

借方 金額 貸方 金額
預り金 40,000 売上 40,000

④【解約(契約終了)時】退去時にかかった原状回復費用を差し引いた金額を返還する場合

おそらく原状回復費用は後から契約者に請求する形となりますので、支払い時は立替金として処理していきます。

(原状回復費用を支払った時)

借方 金額 貸方 金額
立替金 20,000 現金 20,000

(敷金を返還する時)

借方 金額 貸方 金額
預り金 100,000 立替金 20,000
現金 80,000

ちなみに、敷金返還時に家賃や手数料等と相殺して支払う場合は、以下の通りになります。

借方 金額 貸方 金額
預り金 100,000 立替金 20,000
売上(家賃収入) 30,000
振込手数料 324
現金 50,324

⑤【解約(契約終了)時】契約時に返還しない敷金の金額がすでに決まっている場合

返還しない敷金はすでに契約時に収益計上しておりますので、返還する分のみ処理します。

借方 金額 貸方 金額
預り金 100,000 現金 100,000

⑥【解約(契約終了)時】条件により敷金が返還されない場合

ケース2と同様、返還する分の敷金のみの処理を行います。

借方 金額 貸方 金額
預り金 60,000 現金 60,000

住居・社宅として賃貸している場合

また、住居として賃貸契約を締結している場合の敷金の取り扱いも基本的には同じになります。ただ、住居を貸している場合には、売上の消費税区分は非課税ですので注意して下さい。

借り上げ社宅の場合も同様に非課税売上です。会社と不動産屋との間の契約のため、敷金や礼金は基本的には会社が支払うことになります。
退去後の原状回復費用を従業員に負担してもらうかどうかは会社の判断となりますので、社内規定をしっかりと定めておくことが大切になります。

もし会社が家賃を負担していて原状回復費用は従業員が負担、という場合は以下のように処理します。

(契約時)

借方 金額 貸方 金額
敷金 100,000 現金 100,000

(契約完了時)

借方 金額 貸方 金額
現金 95,000 敷金 100,000
立替金 20,000 地代家賃(日割分の返還があった場合) 15,000

(従業員に原状回復費用を請求時)

借方 金額 貸方 金額
現金 20,000 立替金 20,000

敷金と礼金の違いって?

ちなみに入居前に支払うお金として、敷金の他に礼金があります。
大きく異なる点としては、敷金は基本的に戻ってくるのに対し、礼金は戻ってきません。
以下で詳しく説明していきます。

礼金とは

礼金とは、大家さんに対して支払うお礼のお金のことで、手元には戻ってきません。
20万円未満であれば貸す側は雑収入、借りる側は支払手数料として計上し、20万円以上であれば繰延資産として処理します。

敷金と礼金の違い

敷金と礼金の違いについて図で解説していきます。
礼金は支払ったら返還されないのに対し、敷金は基本的には原状回復費用を差し引いた金額が戻ってきますので、前払金(預り金)という意味合いを持っています。

敷金 礼金
目的 退去時の原状回復費用の前払い 大家さんへのお礼
返還の有無 有(契約によっては一部無)

まとめ

敷金の取り扱いは、返還される部分については資産・負債科目、返還されない部分は収益・費用科目で処理します。また、現時点で返還されない金額が明らかでない場合は、金額が確定次第処理していきます。
賃貸借契約はあまり頻繁に行われることはないので迷ってしまいがちですが、仕組みを覚えればスムーズに処理ができるようになるでしょう。

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