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交通費の非課税限度額は?不正受給5つの対処法を公開!

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経理の仕事で交通費の精算で頭を悩ませるのは実はよくあることです。不正受給がないかチェックには神経を使います。

一人経理で就業規則・旅費規程の作成から携わった13年の経験を踏まえ、どうやったら不正受給を防ぐことができるのか、また従業員と対立しがちな経理担当者が、従業員と戦うことなく正しい通勤手当の手続・支給を行うためにはどうしたらいいか?

非課税限度額の基本を踏まえつつ、5つの対処法をご紹介します。

交通費の非課税限度額とは

従業員に支払う給与は、従業員に対して所得税の対象となります。ところが通勤手当というものは、会社に通勤するための実費の補填という性質が強いため、所得税の対象外=非課税としていることをいいます。
ただし通勤手当といわれるものが全て非課税となるわけではなく、非課税になる条件は国税庁から出ています。詳細について次に説明していきます。

非課税となる交通費の条件とは

国税庁HPでは通勤手当を一定の限度額まで非課税とする条件を次のように区分しています。

  1. 電車やバスなどの公共交通機関(又は有料道路)を利用した場合
  2. 交通用具(自動車や自転車など)を使っている場合
  3. 通勤用定期乗車券を支給する場合
  4. 交通機関(又は有料道路)と交通用具を利用する通勤手当や通勤用定期乗車券

交通費の非課税限度額が15万円に引上げ

交通機関又は有料道路を利用している場合「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法」とし、1か月あたりの最高限度15万円に設定しています。この15万円は平成28年1月に引上げされたもので、それ以前は10万円が最高限度でした。

この額には新幹線を利用した運賃の額も含まれます。ただしグリーン料金は含まないと国税庁のHPで明確に記載されています。

仕訳例:浜松駅から東京駅まで新幹線で通勤

1か月定期代:176,900円(税抜:163,796円)*ひかり利用

課税額:26,900円(176,900円-非課税限度額150,000円)

仕訳例①
通勤手当 176,900円(課税仕入)/ 現預金 176,900円

*課税分は給与ソフトや賃金台帳で所得税を算出する必要があります。

仕訳例② 
給与      13,796円 / 現預金 176,900円
通勤手当   150,000円
仮払消費税  13,104円

仕訳例②は税抜です。課税分26,900円は給与13,796円+仮払消費税13,104円です。

自動車や自転車の場合の非課税限度額

自動車や自転車で通勤している場合は通勤距離に応じて非課税限度額が設定されています。片道2キロメートル未満では全額が課税になります。また条件にない徒歩通勤の場合で、通勤手当を支給している場合には全額課税(給与)になります。

仕訳例:徒歩通勤の人に通勤手当を支給

・1か月の通勤手当を3,000円として支給している場合

仕訳例③
通勤手当 3,000円(課税仕入)/ 現預金 3,000円

全額課税のため給与ソフトや賃金台帳で給与と合算し所得税を算出します。

仕訳例:自転車通勤の人に一律5,000円の通勤手当を支給

・通勤距離が片道3キロの場合(非課税限度額4,200円)

仕訳例④
給与         429円 / 現預金 2,777円
通勤手当 4,200円 
仮払消費税  371円

税抜です。課税分800円は給与429円+仮払消費税371円です。

参考:通勤交通費の課税と非課税のちがいは?見分け方や基準のポイントを公開

交通費が課税対象になることもある?

交通機関を利用しているのに非課税の対象にならないことがあります。例えば派遣で働く人の場合、交通費という名目で支給されておらず時給に含まれているケースです。

通勤手当を払うのは義務じゃない?

所得税上は規定がある通勤手当ですが、労働法に規定はありません。つまり通勤の費用を会社が負担しなければならないという法律上の義務はありません。

通勤手当の支給は会社の裁量

法律上で決まっていないので、通勤手当を支払うか支払わないかは会社の裁量で決めることができます。極端なことを言えば会社は通勤手当を支払わなくてもいいわけです。
とはいえ、出勤するための必要経費として会社が負担とすることがほとんどです。

通勤手当は非課税限度額を基準にしていることが多い

通勤手当については会社の裁量ですので、賃金規定や就業規則で定めればいいのですが、唯一の法律上の規定である非課税限度額を会社の規則としていることが多いように思います。経理担当としては、会社の規定に合っているか、さらに非課税限度額の条件を確認するという、手間を省く理由もあるかもしれません。

参考:通勤手当の非課税限度額や計算方法とは?規定や消費税の取り扱いを解説! 

交通費の不正受給の対処法は?

交通費の非課税限度と通勤手当の考え方について理解したところで、不正受給の対処法について考えていきましょう。

実は多い交通費の不正受給

経理担当者にとって従業員の交通費不正受給に手を焼くことは結構あることです。どこの会社でも起こりうる問題です。不正受給の情報を得た場合にどのような対処をしたらいいか、次から対処法をご案内していきます。

対処法①:悪意ある不正受給

交通費の申請書類と実際の通勤経路や区分に違いがあることが確認された場合、会社は従業員に対して返還請求を行います。返還方法は現金で返還させるほか、従業員の希望があれば賃金や退職金から相殺します。ここで会社から強制的な相殺をすることは労働基準法の賃金全額払いの原則に違反しますので、注意が必要です。

また不正金額が高額だったり内容が悪意があると判断される場合には懲戒処分も検討します。交通費の不正受給で懲戒解雇になった裁判例としては、かどや製油事件で約4年5か月の間に231万円の不正受給、また約3年間で100万円の不正受給をしたアール企画事件などがあります。

対処法②:悪意のない不正受給

引越をしたが会社への報告を忘れていた、健康のために電車通勤から徒歩通勤にしたというような、悪意がないと判断される不正受給については、注意と正しい申請書類を提出させます。これまでの不正受給については返還はさせず、これ以降は正当な金額を支払います。

対処法③:不正受給させない意識改革

交通費の不正受給は、従業員としては軽い考え方から起こります。そもそも「不正受給」であるという意識がないことが多いです。このため会社側としては、不正受給であるということの周知が必要です。

周知案内に際しては、通勤の申請書を故意に変えることは「横領」であり、本人の社会的信用を失うことにもなるので、厳格に対処することも伝えます。更に非課税限度額の規定に関わる内容ならば、通勤手当が所得税の課税となることを伝えるのは従業員のためでもあります。

対処法④:不正受給できない仕組作り

啓蒙活動を行ったら更に就業規則等で通勤の規定を明確にします。また最初に提出してもらう通勤の申請書フォームも通勤の規定に沿うようにします。例えば通勤区分として「交通機関(有料道路含)・交通用具(自家用車・自転車)・徒歩」欄を選択する書式にします。

そして「住所・通勤区分の変更がある場合は再度提出する必要があります」という文言を入れておきます。こうしておくと、「電車通勤でしたが、健康のため自転車にしました」という従業員に、通勤区分の変更にあたるので再提出をお願いでき、未然に不正受給を防ぐことに繋がります。

対処法⑤:継続的なチェックをする仕組作り

どんなにしっかりした仕組みを作っても、継続していかなければなりません。定期券のコピーを提出させ、実費と支給額に変更はないか数か月に一回ごとに確認する方法があります。

通勤申請書を年に一度の更新制度にしたり、変更忘れはないか再確認を促すような広報活動で、うっかり不正受給を防ぐことが出来ます。また経理が交通費をしっかり確認をしているという印象を持たせることにもなります。
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まとめ

従業員の通勤交通費の申請間違いは、どこの会社でもよくあることだと思います。経理担当者は従業員が「どうしてダメなの?」という素朴な疑問に、理由を説明しなければなりません。

それは会社の規則なのか、非課税限度額の範囲を超えるためなのか、しっかり説明をすることが不正受給を未然に防ぐことにも繋がると思います。提案した5つの対処法、是非参考にしてみて下さい。

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