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年末調整の仕訳処理!還付金や預かり金についても!

年末調整

会社勤めをされている人には、年末調整という言葉は馴染み言葉ですよね。人によっては、年末調整は12月のボーナスのような位置づけかもしれません。

しかし、私達経理担当者や労務担当者にとっては、年末調整は戦争です。なぜなら、短い間に給与処理と年末調整のどちらもこなさなければならず、作業量が膨大になるからです。

私は、上場企業の経理財務課に3年間在籍した後に、1年間労務担当者をしていたため、年末調整には深い思い入れがあります。だからこそ、仕訳から支払い、果ては「扶養控除等申告書」の作成まで幅広く実務に携わっています。

年末調整は、全体の流れを把握していれば決して難しい制度ではありません。今回の記事では、仕訳処理を理解できるように全体の流れを1度把握した後に、パターン別の仕訳処理について紹介していきます。

年末調整とは

年末調整とは、国税庁によると以下のように定義されています。

1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を正し く計算し、それまでに徴収した税額との過不足額を求め、その差額を徴収又は還付し精算することが必要 となります。この精算の手続を「年末調整」と呼んでいます。

参考文献:国税庁 平成30年分年末調整のしかた

何が書いてあるか理解できる人はいらっしゃいますか?

きっとこれだけ読んでも分かりづらいですよね。したがって、まずは年末調整に至るまでの一連の流れを紹介します。

まずは、以下の実務を毎月こなします。

  1. 毎月の給与支払い時に従業員から概算の源泉所得税等※1を徴収する
  2. 徴収した源泉所得税等を翌月10日に所轄の税務署に納める

※1.年末調整で対象になるのは、給料に係る所得税です。この所得税の他に、復興特別所得税2.1%が課せられているため、合わせて源泉所得税等と呼ばれています。

次に、年末調整を実施します。

  1. 年末調整では、毎月従業員から徴収した源泉所得税等と確定した源泉所得税等の差額を追徴もしくは還付する

以上が、年末調整の一連の流れになります。

改めて年末調整とは、毎月従業員から徴収した概算の源泉所得税等と最終的に納めなければならない源泉所得税等との差異を解消する手続きです。

年末調整の大枠について、なんとなく理解できたでしょうか?

それでは、次の見出しから仕訳について紹介していきます。

毎月の源泉所得税等の仕訳

年末調整について大枠を知っている経理担当者と知らない経理担当者では、仕訳の理解度が全く違います。

私が、経理担当者として仕訳を入力していた頃は、今ほど年末調整について詳しい知識を持ち合わせていませんでした。それどころか、徴収した源泉所得税等は、税務署に納付されずに自社の預金にあるとさえ思っていました。このような状態だと、さすがに年末調整の仕訳を入力するのが難しいです。

しかし、知識のない担当者の方は、上の見出しで年末調整実務の大枠はつかめたと思います。それでは、まず以下で毎月の源泉所得税等の仕訳を紹介していきます。

毎月の給与支払い時に従業員から源泉所得税等を徴収する仕訳

それでは、以下の例で紹介していきます。

例:従業員の給料30万円から、社会保険料4万円、源泉所得税等7千円、住民税2千円、雇用保険1千円を差し引き、差額の25万円を給料として、従業員の口座に振り込んだ。その後、翌月10日に預かった源泉所得税等7千円を所轄の税務署に納付した。

従業員の給与振込み仕訳

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
給料 300,000 ◯月度給与 預金 250,000 ◯月度給与
預り金 40,000 社会保険料
預り金 7,000 源泉所得税等
預り金 2,000 地方税
預り金 1,000 雇用保険

※月内の源泉所得税等は平成31年分源泉徴収税額表を参考に徴収して下さい。

源泉所得税等の納付仕訳

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
預り金 7,000 源泉所得税等 現金 7,000 源泉所得税額等納付

勘定科目設定は、「預り金」としていますが、会計システムや今まで使用していた勘定科目を使うようにして下さい。会計システムや企業によっては、「社会保険料預り金」「所得税預り金」「前払保険料」となっているところもあります。

12月末の源泉所得税等の仕訳

それでは、先ほどの見出しで源泉所得税等を多く取り過ぎていた場合の仕訳と足りなかった場合の仕訳を紹介していきます。

源泉所得税等を多く徴収しすぎていたので、従業員に還付する仕訳

年末調整で還付する仕訳です。8,000円程従業員Aから多く徴収してしまっていたので、その8,000円を12月の給料振込み時に還付金として従業員に返してあげます。その際の仕訳が以下になります。

従業員Aに源泉所得税等を還付する仕訳

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
給料 300,000 ◯月度給与 預金 258,000 ◯月度給与
預り金 8,000 年末調整還付金 預り金 40,000 社会保険料
預り金 7,000 源泉所得税等
預り金 2,000 地方税
預り金 1,000 雇用保険

源泉所得税等を少なく徴収していたので、従業員から追徴する仕訳

年末調整で追徴する仕訳です。今度は6,000円程、源泉所得税等が足りません。その6,000円を12月の給与振込み時に追徴金として従業員Bから天引きします。その際の仕訳が以下になります。

従業員Bから源泉所得税等を追徴する仕訳

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
給料 300,000 ◯月度給与 預金 244,000 ◯月度給与
預り金 40,000 社会保険料
預り金 7,000 源泉所得税等
預り金 2,000 地方税
預り金 1,000 雇用保険
預り金 6,000 年末調整不足額

12月に従業員から徴収した源泉所得税等を納付する仕訳

12月に徴収した源泉所得税等は翌月の1月10日に所轄の税務署に納めなければなりません。

今回納める税額は

従業員Aと従業員Bの毎月通りに徴収した14,000円(従業員A:7,000円+従業員B:7,000)に還付と追徴を調整した分です。まず、従業員Aに還付した源泉所得税等は8,000円で、従業員Bから追徴した源泉所得税等は6,000円です。この差額2,000円を、14,000円に調整しなければなりません。したがって、納めるべき源泉所得税額は12,000円となります。

その仕訳は以下の通りです。

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
預り金 12,000 源泉所得税等 現金 12,000 源泉所得税額等納付

ここまでが、年末調整の1連の流れになります。しかし、年末調整は以上で紹介したような簡単な状況ばかりではありません。中には頻出ですが、対処が難しい複雑ものも存在します。したがって、以下の見出しでは複雑な状況とその対処方法について紹介します。

年末調整の結果、還付額が徴収額を上回る場合

これから紹介する内容は、私が経理財務課に在籍していた頃にはよく理解できなかったことです。すなわち、労務の実務に携わり、納付書を書くようになってから理解が追いつきました。

その内容を簡単に言うと、源泉所得税等の還付額が大きくなりすぎた時に、その還付額を翌月に繰り越して源泉所得税等の納付額を減らさなければなりません。わかりづらいと思うので、例を上げて説明します。

上の見出しで出てきた従業員Aと従業員Bの源泉所得税等の仕訳を利用します。ただし、従業員Aの還付額が21,000円と条件を変更します。すなわち、12月度の従業員Aと従業員Bの仕訳は以下の通りです。

従業員Aに源泉所得税等を還付する仕訳(条件変更)

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
給料 300,000 ◯月度給与 預金 271,000 ◯月度給与
預り金 21,000 年末調整還付金 預り金 40,000 社会保険料
預り金 7,000 源泉所得税等
預り金 2,000 地方税
預り金 1,000 雇用保険

従業員Bから源泉所得税等を追徴する仕訳

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
給料 300,000 ◯月度給与 預金 244,000 ◯月度給与
預り金 40,000 社会保険料
預り金 7,000 源泉所得税等
預り金 2,000 地方税
預り金 1,000 雇用保険
預り金 6,000 年末調整不足額

上の見出しでは、12月で納めるべき税額は、従業員Aと従業員Bの毎月通りに徴収した14,000円(従業員A:7,000+従業員B:7,000円)で、そこに還付と追徴の調整分が入ると解説しました。しかし、12月で納めるべき税額は毎月通りに徴収した14,000円と追徴した従業員Bの6,000円を加えた20,000円を上回ってはなりません。したがって、今回の場合は、還付額が21,000なので差額の1,000円分が源泉所得税等の預り金を上回ることになります。

その上回った1,000円は、翌月の1月度源泉所得税等で調整されます。つまり、以下の仕訳になります。

12月度仕訳 1月10日支払

仕訳なし

1月度仕訳 2月10日支払

勘定科目 金額 摘要 勘定科目 金額 摘要
預り金 13,000 源泉所得税等 現金 13,000 源泉所得税額等納付

2月10日支払の仕訳以降は、また最初に戻り毎月の源泉所得税等を納付し続けます。

まとめ

年末調整の仕訳処理について把握できたでしょうか?

年末調整の仕訳は、年末調整の1連の流れさえわかっていれば、あとは自力で調べることができるため負担の軽減が見込めます。また、還付金についても実務で納付書を書いたり見たりすれば、きっとイメージが掴めるはずです。

年末調整は、年の瀬の忙しい時にやってくるので、事前にマスターしておくことで実務を効率よく進めることができます。また、年末調整の見識を深めるために、毎年税務署が催している年末調整の説明会に参加して見識を深めるのもおすすめです。

年末調整が終わってすぐに法定調書の提出があります。中でも事務作業の割合の大きい給与支払報告書の提出は年末調整と同じく時間が足りません。したがって、事前のマスターが必須になります。合わせてこちらの記事はいかがですか?

参照元:給与支払報告書の提出範囲の金額は?30万以下の場合はどうなる?

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