営業外費用とは?特別損失の違いを分かりやすく解説!

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    損益計算書には営業外費用という区分があります。営業外費用は、経理をしている人なら誰もが1度は聞いたことのある言葉でしょう。しかし、その意味を細かく理解している経理担当者は少ないのではないでしょうか?

    今回の記事では、営業外費用について解説をします。よく対で考えられる特別損失との違いについても説明するのでしっかりついてきてください。

    私は、上場企業の経理部門を3年経験し、主に決算の開示業務の担当をしていました。その後は、財務や税務も経験しているので、経理としての営業外費用だけでなく、財務や税務としての営業外費用の詳細についても心得ています。それらの見地も踏まえて説明します。

    営業外費用とは?営業活動以外に経常的に発生する費用

    営業外費用とは、主たる営業活動以外に経常的に発生する費用の総称です。主たる営業活動とは「定款の目的」に含まれているかどうかで判断されます。例えば、八百屋さんの営業活動は野菜を売ることです。野菜を売ることで発生する損益はすべて営業活動として認識されます。しかし、野菜を売ること以外で発生した損益は、すべて営業外費用に分類されます。具体的には、借入金などの支払利息が該当します。

    以下の見出しでは、「具体的な営業外費用の科目」と「違いを明確にするための特別損失の科目」について紹介します。

    具体的な営業外費用の科目

    具体的な営業外費用の科目は、以下の通りです。

    科目 詳細
    売上債権売却損 ファクタリングなどの売上債権を割り引いた時や売却した時に発生した費用
    売上割引 売掛金を支払期日前に支払ってもらった時に発生する値引き分
    社債利息 社債の債権者に支払う利息
    為替差損 海外の通貨や債権を円貨に修正する時に生じる損失(決算時)
    有価証券売却損 売買目的有価証券の取得価額より売却額が低かった場合に発生
    有価証券評価損 決算で売買目的有価証券の評価額が下がっていた場合に発生
    支払利息 銀行や取引先からの借入金の利息や信用保証協会の保証料が該当
    雑損失 いずれの科目にも当てはまらないもの また重要性のないもの※はすべて雑損失
    開業費 繰延資産に計上する費用で、事業を開始するまでに要した費用
    開発費 繰延資産に計上する費用で、新技術や新商品を開発するまでに要した費用
    貸倒引当金・貸倒損失 営業上の取引以外で発生した貸倒れ

     
    ※重要性とは、営業外費用内の総額10%を上回る科目を独立して表示しなければならないルール

    営業外費用の科目は、業種によって変わります。だから、上で紹介した科目がすべてが営業外費用に分類されるというわけではありません。例えば、一般的な会社では、営業外費用として計上される支払利息も、銀行業では主たる営業活動の費用として認識されます。したがって、業種によって営業外費用の科目は異なります。

    私の在籍していた会社はメーカーだったので、営業外費用は金融費用ばかりでした。支払利息はもちろんのこと為替差損や社債利息を営業外費用として計上していました。

    具体的な特別損失の科目

    具体的な特別損失の科目は、以下の通りです。

    科目 詳細
    固定資産売却損 固定資産の売却額が帳簿価格を下回っていた時に発生する費用
    固定資産廃棄損 固定資産を廃棄する際に発生する費用 費用総額は帳簿価格の金額
    固定資産除却損 固定資産を除却した際に発生する費用
    減損損失 固定資産の収益性の低下により、固定資産の帳簿価格を下げる際に利用する科目
    投資有価証券売却損 投資有価証券を帳簿価格より安い価格で売却した際に発生する費用
    子会社株式売却損 子会社株式を帳簿価格より安い価格で売却した際に発生する費用
    火災損失 火災による固定資産の滅失によって発生する損失
    特別退職金 退職勧奨や早期退職を受け入れた際に従業員に渡す加算部分の退職金
    役員退職金 従業員の退職金とは別に計上する役員の退職金 なお退職慰労引当金は、販管費
    社債償還損 社債の買入償還時に、買入価格が帳簿価格を上回った際に発生する費用
    貸倒引当金・貸倒損失 臨時で発生した貸倒れ

     
    特別損失は、経常的に発生する費用ではなく突発的に発生する費用です。当期にだけしか計上されない費用なので、来期の計画を立てる際には除いて考える必要があります。また、特別損失は、財務に与える影響が少なく、特別損失によって当期純利益がマイナスになっても、営業利益や経常利益がプラスになっていれば「それで良い」と考える取引先も多くあります。

    したがって、企業の中には発生した費用をこじつけて、無理やり特別損失に計上するようなところもあります。だからこそ、会計士が念入りに監査する区分でもあります。

    営業外費用と特別損失の違いは「日頃から発生するか」

    営業外費用と特別損失の違いを、わかりやすいようにそれぞれの見出しに分けて紹介します。

    営業外費用も特別損失も売上に直結しない費用ですが、大きな違いは日頃から発生する費用であるかどうかです。
    営業外費用は、経常的に発生する費用で、特別損失は、経常的に発生しない費用です。

    損益計算書の区分を紹介

    営業外費用と特別損失を大枠で把握するために、まずは損益計算書の費用区分について紹介します。

    費用区分 詳細
    営業損益の部 売上原価 売上に直結する費用で、仕入れや製造原価が該当する
    営業損益の部 販売費及び一般管理費 売上に直結する間接的な費用で、家賃などの事務経費が該当する
    経常損益の部 営業外費用 売上に直結しない費用で、金融費用などが該当する
    純損益の部 特別損失 売上に直結しない費用で、突発的に発生する費用が該当する

     
    表の通り、営業外費用も特別損失も売上に直結しない費用です。しかし、それぞれの費用で決定的に違う部分は、日頃から発生する費用であるかどうかです。営業外費用は、経常的に発生する費用で、特別損失は、経常的に発生しない費用です。

    例えば、火災による損失は偶発的に発生する損失であり、年単位で必ず発生する費用ではありません。すなわち、経常的に発生する損失ではないため、火災による損失は特別損失に該当します。一方で、借入金による支払利息は、借入をしている限り月毎、もしくは年毎に払わなければならない費用です。すなわち、支払利息は、営業外費用に該当します。

    改めて、事業を継続している限り、必ず発生するのが営業外費用なので、必ず発生するかどうかわからない特別損失とは、大きな違いがあります。

    私が3年間在籍していた会社での目立った特別損失は、固定費削減による特別退職金と減損損失などの固定資産関係でした。一方で、営業外費用は、四半期ごとに必ず目にする費用でした。

    営業損益と営業外損益を区別をする理由

    営業損益と営業外損益を区別する理由は、会社の財務状況を把握するためです。特別損失は、1会計年度に必ず発生する費用ではないので、一即多に営業損益と合わせてしまうと会社の実態を把握できなくなります。

    誰が見ても財務状況がひと目で分かるように、営業損益と営業外損益は区別されています。

    特別損失が多くても信用を失わない?

    営業外費用は多額なら取引先からの信用を失いますが、特別損失は多額でも信用を失いません。なぜなら、特別損失は、経常的に発生する費用ではないからです。当期限りの費用と言うことで、与信管理をする取引先も特別損失には寛容です。銀行でも営業利益や経常利益がプラスだと、特別損失を含めた当期純利益がマイナスでも借入の許可が下ります。

    営業外費用でも特別損失でも税金には関係がない

    営業外費用も特別損失も表示上の区分が異なるだけで、税金から見たらどちらも大差ありません。しかし、上の見出しでも紹介した通り、金融機関などの与信調査では表示上の区分が与信に影響を与えるので、できることなら費用は特別損失に計上したいところです。

    まとめ

    営業外費用についての理解は、深まったでしょうか?

    今回の記事で紹介したように、営業外費用は、特別損失と比較しながら考えると理解がより深まります。また、損益計算書の表示上の観点からだけではなく、税務面や財務面で考えることで、表示する数字のこだわりが生まれます。財務面についてご存知なければ、合わせてこちらの記事はいかがでしょうか?

    参照元:実際の業務内容からみる経理と財務の大きな違いを解説!