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未収金(未収入金)の仕訳例は? 決算での注意点を公開!

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未収金(未収入金)とはなにかきちんと理解されていますか?例えば、売掛金や未収収益との違いをはっきりと答えられるでしょうか。

未収金、売掛金、未収収益は資産であることに変わりなく、また金銭債権といった共通点があります。

違いを明確にしなくても法人税額や所得税額などに税務上は、特に影響を及ぼすことはありません。ただ、両者の違いを理解しないで財務諸表を作成すると、銀行や取引先などに自社の財務情報を開示するときに疑問を持たれる可能性があります。

私は、中小企業向けに経理財務関係の支援をしていますが、「未収金(未収入金)」「売掛金」「未収収益」については、捉え方が経理マンによっても違うことに驚きます。
本稿では、売掛金や未収収益との共通点や違いを整理することで、未収金(未収入金)について解説します。

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「未収金」「売掛金」「未収収益」とは

未収入金、売掛金、未収収益はいずれも将来的に金銭を受け取る権利を表し、貸借対照表の資産の部に計上される勘定科目です。

未収金(未収入金)とは

未収金(未収入金)とは、企業の主たる営業取引以外の取引で発生する金銭債権で、保有資産の売却など主にモノの売却などで将来現預金での回収が見込まれるものをいいます。

機械など固定資産や保有する有価証券などを売却した場合に発生します。

未収金(未収入金)の仕訳例を解説

2019年7月土地¥100,000をA社に¥120,000で売却し、代金は2019年9月に受け取ることにした。

借 方 貸 方
勘定科目 金 額 勘定科目 金 額
未収金(未収入金) 120,000 土 地 100,000
売却益 20,000

2019年9月A社より土地代金¥120,000が振り込まれた。

借 方 貸 方
勘定科目 金 額 勘定科目 金 額
現預金 120,000 未収金(未収入金) 120,000

売掛金とは

企業の主たる営業取引から発生する金銭債権で、1年以内に現預金での回収が見込まれるものをいいます。例えば、製造業では、製品(モノ)を売却した場合やメンテナンスなど継続的な役務(サービス)を提供した場合に発生します。

未収収益とは

未収収益とは、企業の主たる営業取引以外の取引で発生する金銭債権で、継続して役務(サービス)を提供する取引で将来現預金での回収が見込まれるものをいいます。例えば、金銭を貸し付けたときの利息や、不動産を貸し付けたときの家賃などがあります。

会計実務上は、未収収益を使用せず、未収金(未収入金)で会計処理している会社も多いですが、企業会計原則上は、両者を区別することが求められています。

【参考】企業会計原則注解・注5

未収収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、既に提供した役務に対していまだその対価の支払を受けていないものをいう。従って、このような役務に対する対価は時間の経過に伴い既に当期の収益として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならない。また、未収収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による未収金とは区別しなければならない。

「未収金」「売掛金」「未収収益」の3つの違い

貸借対照表の資産の部に計上される、将来回収が見込まれる金銭債権という点では共通していますが、もちろんこの三者は意味合いや会計上の処理が異なる点があります。

違い① 計上の対象とする取引が違う

三者の違いは、それぞれの勘定科目が使われる取引の性質が違うことにあります。二つの切り口、すなわち、①その企業の主たる営業取引かどうか、②モノの売買か又は役務(サービス)の提供かで判断します。

営業取引 取引の内容 勘定科目
主たる営業取引 モノの売買 売掛金
役務(サービス)の提供 売掛金
主たる営業取引以外の取引 モノの売買 未収金(未収
役務(サービス)の提供 未収収益

 

違い② 貸借対照表上の表記(流動資産・固定資産)が違う

前述のとおり、三者とも貸借対照表の資産の部に計上されます。資産の部は、流動資産、固定資産、繰延資産の3種類に区分されています。流動資産は、通常1年以内に現金化・費用化ができる資産で、固定資産は、通常の営業取引の過程で生じたものではなく、かつ1年以上継続的に保有される資産を表しています。三者の貸借対照表上の表記には次のような違いがあります。

科目 資本の部の表示 注 記
未収金(未収入金) 流動資産・固定資産 財務諸表上の表記は未収入金が一般的。

回収が1年を超える場合は、固定資産(投資その他資産)に表示する。

売掛金 流動資産 1年を超える長期滞留債権があっても流動資産に表示する
未収収益 (流動資産) 未収入金又はその他流動資産で表示する

 

違い③ 相手勘定が違う

損益計算書では、営業利益に営業外損益を加減算して経常利益を計算します。企業の主たる営業取引以外の取引で発生する未収金(未収入金)と未収収益は、損益計算上は営業外損益になります。

科目 相手科目 注 記
未収金(未収入金) 資産+営業外損益

(売却損益)

売却する資産は、流動(有価証券など)固定(設備など)両方ある。売却益又は売却損失が発生する
売掛金 売上高 主たる営業取引の損益科目である売上高が相手勘定。営業利益の源泉となる。
未収収益 営業外利益 受取利息や受取家賃等で発生。営業外利益だけ発生する

未収金(未収入金)の決算上の3つの留意点

未収金(未収入金)は、将来、現預金の回収を予定する金銭債権です。土地などの売却など時には大きな金額となることもあります。そのため、決算にあたっては、売掛金と同じように細心の注意を払った決算処理が求められます。

留意点① 発生主義で会計処理を行う

 

発生主義とは、は現預金の支出・支払に限らず、支出および収入の必要性(=経済的事実)が発生した時期に計上する会計処理です。多くの企業は、売掛金については、販売管理システムの活用などにより、発生主義による収益認識や債権管理を行っています。

一方、未収金(未収入金)については、収益を現金等の入金時に認識・計上し、費用を現預金の出金時に認識・計上する現金主義を採用しているケースも見受けられます。現金主義では、資産の売買などに伴う売却損益や売却先への債権残高を把握できません。

決算時には、売却先への納品書や請求書等を精査し、発生主義による会計処理を行い必要があります。

留意点② 回収予定経過残高や相手先の信用状態を確認する

未収金(未収入金)の残高管理もとても重要です。回収予定日を過ぎた未収入金がないか決算期にきちんと確認する必要があります。特に、先方の資金事情による遅延や先方との認識違いによるも遅延の場合は、回収予定があやふやとなることもあります。「果たして全部回収できるのかどうか」という回収可能性が問題となります。遅延の原因や相手先の信用状態を確認して、必要であれば貸倒引当金の計上も検討しなければなりません。

留意点③ 経過勘定の処理を忘れない(未収収益を未収金として管理している場合)

未収収益を未収金として管理している会社も少なくありません。未収収益は、経過勘定の一つであり、決算では特殊な会計処理が必要となります。

経過勘定とは

すでにサービスの提供を受けたり、逆に行ったりしているものに対して、お金のやり取りがなされていなかったりする場合などに、当期損益を適正に認識するために、損益の見越し損益の繰延べとして、貸借対照表に表示する勘定科目です。未収収益は、収益の見越しになります。

見越しとは

見越しとは、当期の収益や費用であるが、次期以降にお金などを受け取る、または支払うため、収益や費用として計上されていない場合に、当期の収益や費用にすることをいいます。

仕訳例

(前提条件)

決算日は、3月31日。

1月1日から貸している家賃(1カ月10万円)の半年分(60万円)を6月末、12月末に回収する

決算時(3月31日)の仕訳

借 方 貸 方
勘定科目 金 額 勘定科目 金 額
未収収益

300,000

営業外利益

(受取家賃)

300,000

(ポイント)

当期の1月から3月分の30万円を当期の収益に計上し、貸借対照表上の資産の部に未収収益として表示する

翌期首(4月1日)の仕訳

借 方 貸 方
勘定科目 金 額 勘定科目 金 額
営業外利益

(受取家賃)

300,000

未収収益

300,000

(ポイント)

翌期首に、前期末の費用および収益の見越しの仕訳の反対仕訳(=再振替仕訳)を行う。前期の収益として処理している分を減らすことで、当期の収益と前期の収益を区別し、適正な期間損益計算を行うことができる

入金時(6月30日)の仕訳

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
現預金

600,000

営業外利益

(受取家賃)

600,000

(ポイント)

入金時に6ケ月分の収益を計上する。期首の再振替仕訳があるため、当期の収益は、600,000-300,000=300,00となり、4~6月分の3ケ月分が正しく計上される

まとめ

売掛金、未収入金、未収収益は将来的に金銭を受け取る権利で似たような性質をもっています。大きな影響はないのではないかと思いがちですが、会計処理の延長には、貸借対照表など決算書があります。

決算書は、情報提供の役割を担っており、例えば、銀行は融資の判断材料としています。売掛金と未収入金が混在し、本来の営業取引に係る経営数値が正しく表示されていないと銀行の融資判断を誤らせかねません。

そのためにも勘定科目の意味や処理を正しく理解し、最終的には第三者の判断を誤らせない正しい決算書を作成することが求められます。

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